Garett Jones, “Research Incentives:Milton Friedman on the Fed”(EconLog, December 11, 2012)
カネ(金銭的なインセンティブ)は研究の結果に影響を及ぼすのだろうか? 医薬品の研究についてであればよく問われる問いだが、貨幣経済学(monetary economics)の研究にも間違いなく関わりのある問いなのだ。FRB、ECB、BOEのような中央銀行は、大勢のスタッフを雇っている。数多くのカンファレンスのスポンサーにもなっている。多額の謝金を払ってもいる。貨幣経済学の研究者たちが飼い主の手に噛みつくのにためらいを感じて批判を控える・・・なんていう可能性はないのだろうか?
私の同僚であるデイビッド・レヴィ(David Levy)がまさにこの件について切り込んでいる手紙をミルトン・フリードマン(Milton Friedman)から受け取ったことがある。その手紙のコピーが以下である。
大事な箇所を引用しておこう(手紙の日付は、1993年5月27日)。
・・・(略)・・・私が知るところでは、FRBは貨幣について専門的に研究しているエコノミストのおよそ半数を直接雇用しています。・・・(略)・・・そのみすぼらしいパフォーマンスにもかかわらず、FRBの世評が高いのも主にそのために違いないと私は確信しています。
私の同僚であるローレンス・ホワイト(Lawrence White)がFRBの潜在的な影響力を測る別の指標に着目している。貨幣経済学の分野のトップジャーナルの編集者を対象にして、FRBと何らかのつながりを持っているかどうかを調査しているのである。どんな結果が判明したかというと、・・・皆まで言わなくてもおわかりだろう。ちなみに、Econ Journal Watch 誌に掲載されているホワイトのその論文はこちらだ。
ホワイトの論文は、以下のようにお見事な文章で締め括られている。
FRBがスポンサーになっている研究は、学術的に見ると概して高い水準を誇っている。だからといって、何のバイアスもかかっていないというわけでもなければ、その内容を吟味する必要なんて一切ないというわけでもないのだ。
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