2007年から2009年にかけて、我が国(アメリカ)は金融面・経済面で大きなショックに襲われた。本ブログでは、そのショックの深刻さを可視化するのに役立つような図表を折に触れて紹介してきた。例えば、こちらやこちらで取り上げたように、金利スプレッド、金融部門による純貸出、住宅バブル、海外からアメリカへの資本流入などについて紹介してきたわけだが、今回はちょっと風変わりな指標を紹介するとしよう。「FOMC版(笑)指数」とでも呼べる指標であり、アメリカにおける金融政策の最高意思決定機関であるFOMC(連邦公開市場委員会)のトランスクリプト(出席者の発言を文字に起こしたもの)にある「(笑)の数」――会合中に出席者の間で笑い声が漏れた回数――がカウントされている。
上の図によると、グリーンスパン議長時代の終わり頃には、会合ごとの「(笑)の数」は10回~30回というのが定番だったようだ(はっきりさせておかないといけないことがある。金融政策のオタクたちが一室に集まっているわけで、そんな彼らだけが笑える類のユーモアが交わされたに違いないということだ)。バーナンキがFRB議長に就任して以降は、「(笑)の数」が増えている。ピーク時には、会合ごとの「(笑)の数」が70回~80回にも達している。しかしながら、2007年後半に金融危機の第一波に襲われてからというもの、「(笑)の数」がほぼゼロという会合もちらほらある。
データが2008年初頭までしかないのは、会合が終了してから議事録が公開されるまでに5年待たないといけないからだ。最後に図の出所を明らかにしておくと、スタンフォード大学経済政策研究所が昨年(2012年)の春に開催した「サミット」の報告書からの転載だ。Bianco Researchが収集したデータを基にして作成した図だという。
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